チェコ在住の女性のブログに中国の犬食いについて書かれていた。
フランスの愛護団体が中国内での食用肉の屠殺シーンを撮影したのをYOU TUBEにアップしているらしい。
この団体かどうか覚えていないが、以前動物の毛皮を剥ぐシーンをUPしていたのを見たことがある。これも確かにひどかった。生きたまま皮をはがされ、涙を流しているシーン。
これをみて心が痛まない人はいないだろう。
だがこれはこうした団体の意図的なものと考えねばならない。
愛護団体は犬食いが、如何に残酷で、文化的に劣る行為だということを強調しなければならない。だからわざとこういうフィルムを流す。
残念ながら、このブログの方は踊らされているとしかいえない。
“食文化など糞食らえだ”とのコメントがあった。
危険な考え方といわざるを得ない。
鯨のケース同様、日本の食文化などしるか、黄色いサルから高等生物鯨を守ってやるんだという過激な思想。白人だから偉いという人種差別に繋がりかねない思想だ。
置き換えると、我々先進国は犬は家族同様のペットとして飼っている。後進国の野蛮な犬食い文化は残酷、野蛮な後進国から可愛いワンちゃんを守ってやるんだ。
いかにも幼稚すぎる。傲慢極まりない。
アメリカがイラク侵攻した理不尽な言い訳と代わりがない。
イラク人民のものであるイラクを、アメリカの正義の名の下、さんざん利用してきた独裁者を都合が悪くなると切り捨てた。
古来、日本では皮をなめす職人は、被差別階級にされてきた歴史がある。
人がやりたがらない職業は、それをやる階級を人々は作り出さなければ為らない。
彼らはそれしかできないように社会的に抹殺されてきた。(実態は特殊階級でかなり裕福だったということだが、一般の人から忌み嫌われていたのは間違いない)
中国の屠殺者も好きでやっているわけではない。彼らも生活がかかっている。
それしか仕事がないとしたら、これをやらなければ野垂れ死にか、やくざに身を落とすしかないかとなったらどうなのか。日本でも捕鯨ができなくなって多くの捕鯨で暮らしてきた人たちが大量に食を失った。
先進国のエゴで発展途上国の文化を非難するのは、エゴにすぎない。
このブログ主はマリーアントワネットのことを笑えない。
その国の食文化を否定するには、その国の歴史を学んでからにして欲しい。
有閑マダムのやすっぽい正義はごめん蒙りたい。
犬食いが悪いか悪くないか、文化として存続すべきかすべきでないか、これは中国人自らが判断すべきで外国人がとやかく言う問題ではない。いずれ生活が豊かになって犬をペットとして飼う習慣があたりまえのものになれば、おのずから辞めるだろう。
長く身についた習慣というものは、そう簡単になくならない。
もし法律で禁止したとしても、必ず闇で売買され、欲する人間がでてくる。
それにおそらく中国人自身、犬食いが悪いものとは思っていない。
現に法律で禁止されている香港でさえ、裏に回れば食用の犬を販売している。
この意識を変えるには、数年では無理だ、最低でも2世代は必要だろう。
韓国でもいまだに犬食いの風習はなくなっていない。
あまり知られていないが、日本の韓国料理屋では犬料理が食べることが出来る。
冬場は体が温まり、滋養強壮に良いそうだ。
(こういう面には目をつぶり、ヨン様騒ぎするオバサマたちも滑稽だ)
悪いからといって頭ごなしに怒っても悔い改めることはない、なにがいけないのか時間を掛けて諭さなければ、いつまで経っても悪習がやむことはない。
まずは相手の文化を知り、それから悪いところはお互い直していくのが教育というものである。
可愛いワンちゃんだから感情的になるのは、少し頭を冷やしてからにして欲しい。
古くから近くは文化大革命など飢餓の際に人肉さえ食ってきた、美容のために人口流産した胎児の胎盤エキスを使ってきた中国人に犬食いくらいで騒ぎ立てても残念ながら動じることはない。
だが実は中国都市部では犬食いの習慣はなくなりつつある。10数年前路地裏に入ると皮をはがれた犬が逆さにぶら下げられたのを何度も見かけたが、最近そういうものを見かけることは少ない。これも裕福になってきて犬を隣人としてみなしてきた証左だろう。
こういう実態を分からずに、ただ残酷なシーンだけみて騒ぎ立てるのは真の文化人のすることではない。
ちなみに自分では犬好きであるし、絶対に犬を食うことはない。
が、犬食いの歴史を否定するほど傲慢ではない。
愛犬家であっても嫌動物愛護団体なのである